愚者
関が考え込む。如何云った状態か一番理解しているのは関自身だから当然だ。
「一番に云える事は、アンタは加担している時点で、もう歯車は動き出しているって事は確かだよ。下手に考える位なら、コトが動き出す迄は静観するのがマシね」
「気持良い位にハッキリ云うなぁ」
「当然でしょ。アンタ達からしたら、私が一番年長者の扱いなんだから」
「まだ怒ってるんかいな?」
「客観的な事実を云っただけだよ」
 南條は間を置かず関の言葉に切り返し更に話し出す。
「その上で云わせて貰うけど。アンタはもう当事者で有って観客では無いのよ。それも、ギャラを貰うと云う事は、絶対遂行が前提に成って来るわけね」
「そら、分かっとりますわ」
「じゃあ、何をするべきかはもう見えているだろうし、分かっているわよね?」
「情報を手に入れる。それと、情報操作をして、点と点を線で結び付けるって事でっしゃろ?」
「分かっているじゃないかい」
 南條の言葉に関は頷く。関が店に来たのは、自分の考えの確認に来たのだろう。結論と云うか、如何するべきかは初めから見えていたと云う事だ。
「さあ、小難しい話は後にして飲もうじゃないか」 
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