愚者
 私が話しの終焉を意味する様に水を向けて空気を和らげると、二人の間で流れていたヒリ付く空気が緩やかに優しく成る。
「ほんまやな。折角時雨のお勧めのソーセージがあるんや、ジックリと味わうとするか」
 関が宴会のノリで会話のテンションを上げるのを皮切りに、南條も適度な相槌を打ち飲み始める。暗い雰囲気も嫌いじゃ無いが、迷っている友人が楽しそうに成るのは嬉しい物だ。私は華やいだカウンターを横目に店の片付けに勤しむ事にした。

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