愚者
「えっ!?」
「あの日、転落事故を目撃した生徒の話だと、葵を庇う様に小夜子さんが下敷きに成っていたと云う事なの……」
「そんな―」
葵は絶句する。確かに自分自身も怪我をして生死の境を彷徨いはしたが、致命傷の瑕を負って無いのは、小夜子が身を呈して守ってくれたからだ。
「何処に入院しているの!?」
「この、隣の部屋よ……」
母は逡巡した末に事の顛末を話し出した。あの日、階段から二人して落下した後、学校は騒然としたと云う。保険医が処置を施し救急車で運ばれ、二人揃って入院をしたのは良いが、下敷きに成った小夜子の怪我は葵よりも酷く、仮に意識を取り戻しても身体の何処かに障害が残る恐れがあるとの事だ。
頭を強かに打ちはしたが、流血をしたのが救いだとの事だ。仮に流血をしてない場合は、脳の循環に弊害を来たし、今以上に厳しい可能性が有ったと聞いた直後、葵はベッドから下り様とするのを母は必死に止める。
「まだ、動いちゃ駄目よ……」
「でも、小夜子が!」
「面会謝絶だから……今、葵が行っても会う事が出来無いのよ……」
「あの日、転落事故を目撃した生徒の話だと、葵を庇う様に小夜子さんが下敷きに成っていたと云う事なの……」
「そんな―」
葵は絶句する。確かに自分自身も怪我をして生死の境を彷徨いはしたが、致命傷の瑕を負って無いのは、小夜子が身を呈して守ってくれたからだ。
「何処に入院しているの!?」
「この、隣の部屋よ……」
母は逡巡した末に事の顛末を話し出した。あの日、階段から二人して落下した後、学校は騒然としたと云う。保険医が処置を施し救急車で運ばれ、二人揃って入院をしたのは良いが、下敷きに成った小夜子の怪我は葵よりも酷く、仮に意識を取り戻しても身体の何処かに障害が残る恐れがあるとの事だ。
頭を強かに打ちはしたが、流血をしたのが救いだとの事だ。仮に流血をしてない場合は、脳の循環に弊害を来たし、今以上に厳しい可能性が有ったと聞いた直後、葵はベッドから下り様とするのを母は必死に止める。
「まだ、動いちゃ駄目よ……」
「でも、小夜子が!」
「面会謝絶だから……今、葵が行っても会う事が出来無いのよ……」