愚者
「そりゃそうやろうな」
「それに、私には妹が居てね」
「何?」
「妹が居るのに、暴挙に及んだんだ」
「そらあかんで。それで妹はどうしたんや?」
「施設に預けたと云うか……事実上捨てたんだ」
「無責任やな……」
「私もそう思う。煩わしいと云うのが本音だったんだろうね。それで金を奪って、施設に妹を捨て逃亡生活をしたんだ」
「それで戸籍を買ったりしたんやな?」
「その通りだよ。当時の相場は今よりも随分と安かったからね。逃げるのには最低限戸籍と名前を変える必要性だけはどんなに頭が悪くても思い付いたよ」
「妥当な選択肢やな」
「その上で、素性の詮索の無い仕事をすると成ると、裏関係からタコ部屋系が限界でね。日本全国を渡り歩いて、時効が来るのを待つ日を只管待ったのさ」
「賢い選択肢やな。逃げ回るにしても、一箇所に長居をしたらそれだけリスクは高く成るさかいな」
「そう云う意味では夜の仕事が一番楽だったよ。過去の詮索はしないからね」
「そっち系の仕事は、脛に瑕が有るのが大半やからな。一々詮索しとったら切りが無いし、適度な距離が一番楽やからな」
「流石に良く知っているね。随分と日本全国を流れた物だよ。そうしている間にも、妹への罪の意識が消えた訳じゃ無いんだがね。毎月決まった金額を施設に送金する事で、偽善的な行為をして自分を慰めたよ。通し番号が無いバラバラの札だと云うのが幸いしてだがね。それに、パチンコ系の金を奪った所で、実質表に出し難い金が大半だからね」
「それに、私には妹が居てね」
「何?」
「妹が居るのに、暴挙に及んだんだ」
「そらあかんで。それで妹はどうしたんや?」
「施設に預けたと云うか……事実上捨てたんだ」
「無責任やな……」
「私もそう思う。煩わしいと云うのが本音だったんだろうね。それで金を奪って、施設に妹を捨て逃亡生活をしたんだ」
「それで戸籍を買ったりしたんやな?」
「その通りだよ。当時の相場は今よりも随分と安かったからね。逃げるのには最低限戸籍と名前を変える必要性だけはどんなに頭が悪くても思い付いたよ」
「妥当な選択肢やな」
「その上で、素性の詮索の無い仕事をすると成ると、裏関係からタコ部屋系が限界でね。日本全国を渡り歩いて、時効が来るのを待つ日を只管待ったのさ」
「賢い選択肢やな。逃げ回るにしても、一箇所に長居をしたらそれだけリスクは高く成るさかいな」
「そう云う意味では夜の仕事が一番楽だったよ。過去の詮索はしないからね」
「そっち系の仕事は、脛に瑕が有るのが大半やからな。一々詮索しとったら切りが無いし、適度な距離が一番楽やからな」
「流石に良く知っているね。随分と日本全国を流れた物だよ。そうしている間にも、妹への罪の意識が消えた訳じゃ無いんだがね。毎月決まった金額を施設に送金する事で、偽善的な行為をして自分を慰めたよ。通し番号が無いバラバラの札だと云うのが幸いしてだがね。それに、パチンコ系の金を奪った所で、実質表に出し難い金が大半だからね」