愚者
「せやけど、そんな事をする位なら初めからするべきや無いわな。それに、それ成りの金を掴んだんやろう?適当に転々と渡り歩くだけで良かったんちゃうんかいな?」
「どうしても使う気に成れなくてね。今考えると、本当に馬鹿な事をしたよ」
「それで妹ってのは元気にしとるんかいな?」
「元気と云うか、そこに寝ている子が姪に成るんだよ……」
「何!?」
「複雑な物だよ。今回の事が無ければ、その事自体に気が付かなかったしね」
「……何や、その符号は」
「和さんが持って来た情報が切欠さ。新崎って苗字、あれは私の元の苗字なんだ。正確には新崎毅。これが私の本名だ」
「……成る程な。ワシが持って来た情報と苗字の符号。それらを照らし合わせたら、自然と答えは出るわな」
「始めは驚いたね。正確にはこの親子が店に来た時に不思議な錯覚を覚えたのが始まりだとも云える。だけど、まさかこんな土地で妹と出会うとは思わないからね。私に眠る血が何らかの共鳴はしたけど、その時は、何処かで擦れ違った顔見知り程度の認識しか無かったんだ。今考えれば当然と云えば当然なのかも知れない。血縁と云うのは、頭では分からない程に何かを訴える様だよ」
「血縁っちゅうのは、それ故に軋轢を起こしたら醜いのは有るけど、それ以外にも共鳴と云うか何と云うか、生命の神秘を感じるな」
「不思議な物だよ」
「そう成って来ると、余計に今回の案件を放置する訳には行かんな」
カランと、ウィスキーの中の氷が溶けた音がする。関は自分が抱え込んだ事件と、私の抱えている問題をトータル的に見ている様だ。別にそこ迄する必要性は無いが、関とはそう云う男だ。
「私も間接的には関係者と云う事だよ。だが、どう動いたら良いのか難しい所でね」
「相手が堅気で無いのが分かっとるからな。そう成ると素手で相対するのは自殺行為に近いし、個人で動いても権力で握り潰される可能性の方が高い」
「どうしても使う気に成れなくてね。今考えると、本当に馬鹿な事をしたよ」
「それで妹ってのは元気にしとるんかいな?」
「元気と云うか、そこに寝ている子が姪に成るんだよ……」
「何!?」
「複雑な物だよ。今回の事が無ければ、その事自体に気が付かなかったしね」
「……何や、その符号は」
「和さんが持って来た情報が切欠さ。新崎って苗字、あれは私の元の苗字なんだ。正確には新崎毅。これが私の本名だ」
「……成る程な。ワシが持って来た情報と苗字の符号。それらを照らし合わせたら、自然と答えは出るわな」
「始めは驚いたね。正確にはこの親子が店に来た時に不思議な錯覚を覚えたのが始まりだとも云える。だけど、まさかこんな土地で妹と出会うとは思わないからね。私に眠る血が何らかの共鳴はしたけど、その時は、何処かで擦れ違った顔見知り程度の認識しか無かったんだ。今考えれば当然と云えば当然なのかも知れない。血縁と云うのは、頭では分からない程に何かを訴える様だよ」
「血縁っちゅうのは、それ故に軋轢を起こしたら醜いのは有るけど、それ以外にも共鳴と云うか何と云うか、生命の神秘を感じるな」
「不思議な物だよ」
「そう成って来ると、余計に今回の案件を放置する訳には行かんな」
カランと、ウィスキーの中の氷が溶けた音がする。関は自分が抱え込んだ事件と、私の抱えている問題をトータル的に見ている様だ。別にそこ迄する必要性は無いが、関とはそう云う男だ。
「私も間接的には関係者と云う事だよ。だが、どう動いたら良いのか難しい所でね」
「相手が堅気で無いのが分かっとるからな。そう成ると素手で相対するのは自殺行為に近いし、個人で動いても権力で握り潰される可能性の方が高い」