愚者
「気にせんで良い。友達ならそれが当然や。互いに色々な過去はあるけど、今が一番大事やからな」
関がグラスを片手に軽く笑みを浮かべる。自分自身、大怪我をしているのに他人を気遣う心が、今の私にはかなり有り難い。この様に、身近に居る者同士が、後少し、もう少しだけ優しさを持ち合えたとすれば、今の様な混沌とした世情は無いのかも知れない。自己の欲望を満たす事が全てでは無い。関と話をしていると、その辺りが何と無く分かる様な気がする。
「当面の問題やけど、葵って子どうする積りや?」
「今の状態で妹の元に返すのは危険だと思うんだが、どう思う?」
「説明を聞いた限りでは自己が崩壊する寸前やし、ほんまに魂の抜け殻状態やな。ざっと聞いた限りでは、かなり繊細な子の様やし、母親とか周りを気遣う余りに今の状態に成った見たいやしな」
「繊細さが今の葵を作ったと思う。本人がコミュニケーションを取る事は可能なのかな?」
「無理やな。今こうして会話をしとるけど一切の反応を示さんし。時雨もその辺りを察して、打ち明けた訳やろう?」
関がグラスを片手に軽く笑みを浮かべる。自分自身、大怪我をしているのに他人を気遣う心が、今の私にはかなり有り難い。この様に、身近に居る者同士が、後少し、もう少しだけ優しさを持ち合えたとすれば、今の様な混沌とした世情は無いのかも知れない。自己の欲望を満たす事が全てでは無い。関と話をしていると、その辺りが何と無く分かる様な気がする。
「当面の問題やけど、葵って子どうする積りや?」
「今の状態で妹の元に返すのは危険だと思うんだが、どう思う?」
「説明を聞いた限りでは自己が崩壊する寸前やし、ほんまに魂の抜け殻状態やな。ざっと聞いた限りでは、かなり繊細な子の様やし、母親とか周りを気遣う余りに今の状態に成った見たいやしな」
「繊細さが今の葵を作ったと思う。本人がコミュニケーションを取る事は可能なのかな?」
「無理やな。今こうして会話をしとるけど一切の反応を示さんし。時雨もその辺りを察して、打ち明けた訳やろう?」