愚者
次にシャンプーを手に取り頭に振り掛け洗い流しコンディショナーをする。徐々に身体が覚醒して行くのが分かる。ボディーソープで身体を洗い髭を剃り、最後に冷水にした水を全身に浴びて身体を引き締める。落ち着いた生活だ。変化の無い単調な生活の有り難味は、こうした何気無い事で実感出来る。私は冷水で引き締まった身体をバスタオルで乱暴に拭い、ドライヤーで髪の毛を乾かし仕事着を羽織る。黒のスラックスに白のワイシャツ。最後に黒のベルトでスラックスを止める。壁の時計を見ると、昼の十三時を越えている。私の店ではモーニングサービスをしていないので、十四時と云う半端な時間に開店をし、夕方に一旦閉めると夜は十九時にバーへと変貌する。利潤を求めるので有ればもっと賢い経営方法も有るのだろうが、必要最低限の生活が出来れば良い。私の考えの根底にそう云った意思が有る。私は階下に降りて行き看板を外に出す。
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