愚者
必要最小限の言葉の応酬。この男が刑事だとは今でも信じられ無い。自然と、身体に冷や汗が浮かんで来る。
「おい、お前達。今日の所は見逃してやる、さっさとふけな。それと情けねえお前さんもな」
富田が吐き捨てる様に云い放つ。通常の常識では問題に成るで有ろう富田の行為だが、男達は何も云わずに立ち去って行った。
「殺すのかと思いましたよ」
「死んでも、誰も困る事はねえさ」
「現職の刑事とは思えないですね」
「甘さを残したら、今こうして生きている事は出来ねえさ」
悪びれる風でも無く、富田は当たり前とばかりに云い放つ。ここ迄突き抜けた感覚の持ち主だと逆に気持良い物が有る。
「それよりアンタも相当なもんだ。ヤッパを持った相手に、対等以上の駆け引きをするんだからな」
「必死に成ると力以上の物を出す事が出来る見たいですね」
「あれだけの立ち回りを演じた人間の云う言葉じゃねえな」
一部始終を見ていたのだろうか。下手な事を云うと命取りに成りかねない。
「まあ良い。お前さんもさっさと帰りな」
「そりゃ、どうも」
私は軽く頭を下げて立ち去ろうとすると、富田が背後から「また、店に寄らして貰うぞ」と声を掛けて来る。眼を付けられたのかも知れない。私は不安な思いを振り払い、軽く片手を上げて富田の問いに答え、その場を後にした。
「おい、お前達。今日の所は見逃してやる、さっさとふけな。それと情けねえお前さんもな」
富田が吐き捨てる様に云い放つ。通常の常識では問題に成るで有ろう富田の行為だが、男達は何も云わずに立ち去って行った。
「殺すのかと思いましたよ」
「死んでも、誰も困る事はねえさ」
「現職の刑事とは思えないですね」
「甘さを残したら、今こうして生きている事は出来ねえさ」
悪びれる風でも無く、富田は当たり前とばかりに云い放つ。ここ迄突き抜けた感覚の持ち主だと逆に気持良い物が有る。
「それよりアンタも相当なもんだ。ヤッパを持った相手に、対等以上の駆け引きをするんだからな」
「必死に成ると力以上の物を出す事が出来る見たいですね」
「あれだけの立ち回りを演じた人間の云う言葉じゃねえな」
一部始終を見ていたのだろうか。下手な事を云うと命取りに成りかねない。
「まあ良い。お前さんもさっさと帰りな」
「そりゃ、どうも」
私は軽く頭を下げて立ち去ろうとすると、富田が背後から「また、店に寄らして貰うぞ」と声を掛けて来る。眼を付けられたのかも知れない。私は不安な思いを振り払い、軽く片手を上げて富田の問いに答え、その場を後にした。