消え行く花のように
(―9―)


激しさを増す、頭痛と渇き……

それと裏腹に胸の奥底からこみ上げてくる、なんともいえない思いに追われるように店から出て、急いでその場から離れる――

(愚かな)

店からだいぶ遠のいてから、歩む速さを緩め、ぼんやりと空を見上げた。

(こうなることはわかってたはずだろう?)

蒼い闇から落ちる雪は、どこまでも白く、冷たく……

(人の生き血をすすり生きるけだものが、人とずっと一緒にいれるはずなど)

見つめるうちに薄れる意識。

(リエル)

ひたすら自分を頼り、すがる小さな手のぬくもりを思い出そうとするが、かなわなかった。

理性を保つ、限界が近いことを感じる。

生きることに貪欲な、醜い本性に犯されていくことに、嫌悪感を感じながらも……

それを止めることは出来ないことは、充分すぎるほど分かっていた――



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