愛してるのに愛せない
――――――――…
「おはよー」
「あっ、海斗に大輝。おはよー」
次の日の朝、いつも通りに登校した俺と大輝は、いつも通りに彩に挨拶する。
「あれ?レイは一緒じゃないの?」
レイがいないことに気付いた俺は彩に聞いてみた。
「レイなら今、職員室に行ってるよ?」
「何しに?」
「書類出しにー」
「ふーん…」
職員室か…あそこには呼ばれたくないな…
「そうだ…海斗ー?」
「んー?」
「今日、体育祭のリレーの順番決めるの忘れてたでしょ?」
体育祭のリレー?
………あ…。
「順番、一番最初だよーっ」
「んなっ!?マジかよ…」
「ドンマイ海斗っ!」
大輝が俺の背中を軽く叩く。
…ん?
大輝は…?
俺の疑問は彩によって解かれる。
「大輝はアンカーだよっ!」
「なんだとっ!?」
「はっはっはっ!ドンマイ大輝っ!」
俺は大輝にやられたように背中を叩き返す。