愛してるのに愛せない

「少なくとも、ただの幼馴染でも、友達だから再会した時に抱きつくのは好きじゃないとできないだろ？」

「………。」

「俺の予想に過ぎないけど、これはそうでもないと理解できない行動だろ？」

「確かに…」




大輝の言っていることは、理解できる。




だけど、そう簡単に出せる答えじゃない…




俺が下を向いて考えようとすると、大輝が話題を変えた。






「おっ？彩たち、頑張ってるなぁ！」





俺はその声に反応することもなく、考える。




「海斗！今は応援しようぜ！」

「………あぁ…」




大輝は稀に、大輝らしくないことを言う。

でも、俺はその大輝に助けられ、気付かされてきた。



大輝には…たまに逆らえない時がある。





仕方なく俺は彩たちを応援することにした。