愛してるのに愛せない
「海斗っ!来てっ!」
「ちょっ!?」
「いいから早くっ!」
俺は右手に彩の手。
左手にレイの手を繋がれて、ゴールまで走り出す。
後ろから、何人かの男たちが「いいなぁ…」やら「なんであいつなんだ!!」と叫ぶ声が聞こえた。
俺だって理由が知りたいわっ!
とりあえず俺は彩とレイの手に引っ張られながらゴールに向かう。
ゴールの手前で、審判らしき人にカードを見せてOKが出ると、再びゴールに向かって引っ張られる。
俺たちは、そのまま三人でゴールテープを切り、一位を獲得する。
俺は連続で走らされたような気分で、ぜぇぜぇと息を切らしていた。