愛してるのに愛せない
戻ってきた大輝に俺たちはお疲れと言い、日陰に集まる。
「とりあえず午前は終わりだな」
「つーか、お前速くなったよな…」
「ホント…速すぎ…」
「でも、こんだけ速ければ、負けないよね」
「あぁ…クラス対抗のリレーか」
俺たち一年生が残す競技は、あと一つ…クラス対抗リレー。
なんだかんだいって、この四人は足が速い。
これは優勝狙えるかもな…
「とりあえず、飯食おうぜ?」
「じゃあ、あたしたちが作ったお弁当食べよっ」
大輝と俺は彩が言った言葉に驚く。
俺はもちろん、大輝も弁当を作ってきてくれとは頼んでない。
俺たちは教室に戻り、彩とレイが作った弁当を開けてみる。
「うわっ、すごいっ!」
「でしょ?レイと二人だけで作ったんだ♪」
弁当の中身はかなり豪華な詰め合わせだ。
おにぎりにウインナーに、卵焼き、ミートボールなど、弁当の王道が入っている。
『いただきま~す!!』
俺たちは、彩とレイの作った弁当を食べ始める。