愛してるのに愛せない


「しかし…お前らって足速いんだな?」

『さぁ…?』



全員で答えたら体育委員の子が困った顔をした。




「海斗もかなり速かったし、大輝も速かった。月城と北見も速かったし…期待してるぜ!クラス対抗リレー!」



そう言って、体育委員の子は自分のグループに戻っていった。




「なんか…期待されてない?」

彩が不安そうに言った。



「俺たちならできるっ」

「でも期待されても…」



意気込む大輝に、困った顔をするレイ。





俺はおにぎりを飲み込むと、彩とレイの不安を取り除こうとする。





「彩とレイはホントに速いよ?だから自分らしく走ればいいさっ!」



二人は顔を見合わせて、互いに頑張ることを約束した。



大輝はその光景を見て、笑った。
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