愛してるのに愛せない
昼ご飯を食べて、クラス対抗リレーに。
俺はバトンを受け取り、スタート位置につく。
「スタートはクラウチングスタートでーす!」
げっ……マジかよ…
俺、クラウチング苦手なんだけどな…
俺は仕方なく、クラウチングの態勢で準備する。
ふと気になって周りを見渡すと自分のクラスの人達が、こっちを見ている。
俺は溜め息をつき、スタートが切られるのを待った。
―期待してるからな!―
頭の中で、さっき体育委員に言われたことを思い出す。
「期待か……応えてやっか!」
意気込む俺に、掛け声がかかる。
「位置について!よーいっ……」