愛してるのに愛せない


「大輝ー?覗いちゃだめだぞー」

「くそぅっ」




兄貴の部屋に移動した俺たちは彩が風呂から出るまで外に出られないでいた。


そう決めたのは兄貴だ。




「光太さん…何気に怖い…」

「中学生が女の子の裸を見るなんて5年以上早い!」




彩の裸を覗こうとしていた大輝は、かれこれ三回くらい兄貴にバレて止められている。




「大輝、お前バカだろ?」

「なんだとっ!?」




この会話も三回くらいやってる。



俺は大輝に、その一言だけ言って下を向く。





そんな俺を兄貴は心配したのか、隣にやってきて座る。




「どうした?悩んでばっかだな…海斗は…」

「いや……なんでもない…」



俺はまた下を向く。


それを見た兄貴は立ち上がり、俺の頭をグシャグシャッと雑に撫でる。




「っんだよ!なにすん…だ…?」



俺は言いたいことを最後まで言えなかった。




言えなかったのは、俺の頭に置かれた兄貴の手を退かそうと上を見たとき、兄貴が俺に向けて微笑んでいたから…
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