愛してるのに愛せない
「光太さん、先にお風呂入らないんですか?」
彩が兄貴に聞くと、兄貴はタバコを持って立ち上がる。
「男が入った後の風呂に入っちゃ、汚いだろ?」
兄貴が笑いながら言う…
「なんか…すみません…」
「いいよ。気にしないでっ!ちゃんとコイツらを見張っておくからっ」
彩がバスタオルを置くと、兄貴は俺たちを自分の部屋に連れ込んだ。
兄貴が俺を気にしているのはわかっていたけど、俺は気にしていないフリをしておく…
兄貴…本当に話はあれで終わりか…?
俺には、あの話が本当かわからない…
ただ、あんなに話を避け、はぐらかしていた兄貴が簡単に話すとは、俺は思えずにいた…