かくれんぼ
…ところが耳を澄ませて気付いたのですが、物音一つしません。

さっきまで、アレほど騒いでいたのに…。

わたしを呼ぶ声も聞こえません。

もしかして、全員外に行っちゃったんでしょうか?

わたしは慌てて廊下に飛び出しました。

そして…見てしまいました。

廊下に広がる赤は、夕日の色ではありませんでした。

真っ赤な、血の色。

「うぐっ…!」

むせ返るような血の匂いに気付き、頭の中がガンガン鳴り響きます。

「みっみんな…」

血の跡をたどり、わたしは一つの教室の前に来ました。

ゆっくりと扉を開くと…。

そこには重なり合った、生徒達と先生達の死体がありました。

「っ!?」
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