ツンデレ彼氏をGETしろ!
† … † … †
「…ッ先輩!!」
「あぁ…岬ちゃん?」
舞台の裏で一人、静かに涙を流していた菅。
岬が駆け寄ると両手で顔をかくしてしゃがみこんだ。
「…先輩……」
「あはは、情けない…」
「…仕方ないんじゃないですか?
ずっと好きだったし。
気付かなかった美鈴が鈍感過ぎなんですよ。」
「そんなところも可愛くてさぁ…
俺ベタ惚れだったから。」
振られたのにな、と笑う菅。
そんな菅の隣に少し距離を空けて岬が座った。
舞台は桜が携帯電話の彼氏に向かって告白中で盛り上がり、ここには誰もいない。
「私が、居ますよ。」
「え…?」
「ずっと好きでした。」
岬が真顔で言うと菅が涙でぼろぼろの顔を上げた。
「好きです。」
「でも俺は…」
「返事は今すぐはいりません。
わかりきってます。
…待ちますから。」
「…ゴメンね。
諦めて?
傷付くよ。」
菅の無理だ、の意味を表した言葉。
岬も菅の隣で静かに涙を流していた。
(菅先輩だってまだ諦めてないじゃない。
…私だってそんな簡単に諦められる程半端な思いじゃないんだから!!)
菅はまだ千里を思っている美鈴を諦められず、
岬もまた、美鈴を思っている菅に想いを寄せた。
この二人が諦めること、思い合う事はできるのだろうか…?