~親友という名の絆~
「今頃気付いてるし…
ここに来たときから付いてるよ。
普通気付くだろ。
鈍いな。」

「なによ!そんな言い方しなくてもいいじゃない!!
気付かないモノは気付かないんだから!!」

翔の言い方に私はムッとして言い返す。

翔の方は「いちいちうるせぇ」と言う様にそっぽを向いた。

「まぁまぁ、2人共…」


そう言って私たちをなだめる涼は呆れた様子だ。



私は握っていた拳を解き涼に向き直った。

「……ねぇ…、私は本当に…死んだの…?」

「そうだよ。」

涼は静かに答える。

「…そっか…」

「やっと認めたか。」



「……遥たち、今日の私……覚えててくれるかな……」

ポツリと出た言葉

「どうして?」

涼が尋ねる。

「…何となく…かな…」


そう答えて上を見上げる。


空も何もないただ同じ色が広がる空間


また一つ白い魂が何処からか現れ、吸い込まれるように消えていった。



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