秘密の授業〜あたしの青春〜
「先生がそーいうことすると、ドキッとするんだよ?女の子は……」
「はっ?今時、教師にときめく女子なんかお前以外にいるのか?」
物珍しげな顔であたしに問う先生。
先生、あたし以外の女子も……先生にときめいてるんだよ。
キュン、って。
「いるの!先生は鈍感っ!……バカ」
「先生に向かってバカとか言わないの」
そう言って、先生はまたあたしのオデコを軽く叩いた。
本当に、軽く。
「ごめんなさーい……」
「よしよし」
今度はあたしの頭をポンポンする。
そういうの……反則だよ。
「先生、好き」
「はいはい。どうも」
今は、これでいいんだ。
“好き”って言って、流される。
この距離で、いいんだ。