秘密の授業〜あたしの青春〜



次の授業の準備もせずにボーっと黒板を眺めながら、先生のことを考えている時間が増えた。

それとともに――……

考え事をしていて、チャイムが鳴ってハッとする……そんなことも増えた。


……先生のせいだ。


そしてまた今日も、チャイムが鳴って先生が入ってきた。


……――と、思ったら……

あれ……?

……違う先生?


「えーっと……山崎先生は体調不良のため、お休みです。代わりに私が授業を行います」


……国語の片平先生。

若い、女の先生。


「授業と言っても、自習みたいなものなんだけどねー」


ふふ、と笑いながら片平先生はプリントを配り始める。



先生、休み……かあ。

体調不良って……大丈夫かな?
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