秘密の授業〜あたしの青春〜



『本気?』

『ああ。悪い!お前も好きだったけどな!なんか物足りねえ。女は少しワガママなくらいがちょうど良いぜ?』

『……う、ん』

『そんじゃーな!』


手を振る晋平は、昨日とまるで変わらない、はちきれそうな笑顔だった。

私が手を振らずにうつむいているにも関わらず、晋平はどこかに行ってしまった。

……――私は何だったんだろう。

ふと、そんな疑問が頭に浮かぶ。


「……っ」


悲しい。
悲しい。
悲しいよぉ……。


「……おい、女子高生」

「ふぇ!?」

「その声……悪い、邪魔したな」


振り返ると、後ろを向いて帰ろうとしている白衣を着た教師。
< 6 / 52 >

この作品をシェア

pagetop