大切な大切な幼なじみ



・・・頭痛い。


泣き過ぎた。


えっと・・・ああ、そうや。


なきながらふらふらしよって


先輩にぶつかったんや・・・。


帰りたいけど、お礼ぐらい言わんと。



「さっきの子」



ぶつかった先輩の声がした。


後ろには、翔太とてっちゃんがおった。



「翔太、てっちゃん・・・」



また涙が出て来た・・・。



「2人、走って探してくれよったんよ?私とぶつかって・・・」



先輩は、事情を知らんはずやのに


優しく私の背中をさすってくれた。



「本当にありがとうございました・・・」



「気をつけてかえってね!」



今度こそ、私達は帰路につくことになった。


私はローファーが履けんけん


有子先輩(さっきの先輩)に事情を話したら


快くグランドシューズを貸してくれた。



「心配したんやけんね!」


「ほんと、生きた心地がせんかった」


「ごめんなさい」


「ほんと無事でよかったよ」


「全くだ・・・」



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