ドラゴン・テイル

王国


「君たち、まだこんな所にいたのか?」

 街で出会ったクルセイダーと同一人物のようだ。

 男は、ラーマを見て深く頭を下げる。

「白銀のドラゴンとは珍しい。このような場所で一体何を?」

 挑発するような笑みを浮かべた。

『お前たちには関係の無い事だ。その手に持つピクシーを置いて立ち去れ』

 嘲笑するような笑みを向けられ、些か(いささか)怒りを滲ませながらラーマが答える。

 だが、男はヒョイと肩を竦め、

「それは出来ませんね。国王の命により、怪しい者は全て連行しろと言われております故」

 パチンッと空いた手で指を鳴らした。

 それと同時に、ウル達の周りを取り囲むように現れたのは、男と同じ鎧に身を包んだ二十人近いクルセイダー達。

「……いつの間に………」

 ウルが小さく呟く。

「いくらドラゴンと言えど、王宮の精鋭騎士団がこれだけ揃えばタダでは済まないでしょう。無駄な抵抗はしないで下さいね」

 男はそういうと、クルセイダー達に目で合図を送る。

「きゃぁっ!」

 後ろに立ったクルセイダーがキスティンの腕を掴み、縄をかけた。

『……貴様ッッ!!』

「何しやがるッ!!」

 ラーマとクレイグが同時に吼える。

「よせッ!!」

 ウルが叫んだ。

「下手に抵抗したらコパンが危ない」

 ウルの言葉に、剣に手をかけたクレイグの動きが止まる。

「…………っくそッ!」


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