シムーン
毛布を取りに行くために、俺は寝室へと足を向かわせた。

春とは言えど、夜はまだ寒い。

クローゼットから毛布を取り出した時、
「――んんっ…」

寝ている彼女から声がした。

起こしたか…?

ベッドに視線を向けると、当の彼女は寝返りを打っていた。

…何だ、寝返りか。

それにしても、
「無防備だな…」

彼女の寝顔を見た俺は呟いた。

無防備過ぎだ。

白い肌が色っぽい。

ピンク色の唇が俺を誘惑しているように見える。

ヤバいな…俺、欲情しかけてるよ…。
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