シムーン
バカをやってんじゃないよ。

欲情しかけた自分をそう戒めると、俺はベッドに背を向けて寝室を後にした。

ソファーで横になると、毛布をかぶった。

ふうっ…と、息を吐きながら眼鏡を外すと、ソファーの前にあるテーブルに置いた。

「――寝にくい…」

革張りのソファーは、疲れた躰によくない。

明日、躰がガチガチだな。

そう思いながら、俺は狭いソファーの中で何度も寝返りを打った。

しかし、なかなか眠れない。

あれだけ体力を消耗して、躰はクタクタなはずなのに…眠れないのは一体どう言うことなのだろうか?

結局その日、俺は一睡もできなかった。
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