シムーン
昼休みを迎えた。

「――そう言う訳なの…」

「そうか」

話を聞いた彼は、そう返事した。

彼を見つけた私は呼び止めて、事情を話したところだった。

「残業なら仕方がないな」

彼はため息混じりに言った。


「お疲れ様でーす」

「はい、お疲れー」

最後の1人が帰ったので、この場に残ったのは私だけになった。

シン…と、静かになるオフィスに響いているのは、キーボードを打つ音と電卓をたたく音だけである。

「――自業自得か…」

そう呟いて息を吐いたら、ガチャッとドアの開く音が聞こえた。
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