シムーン
「――はっ…?」

何だよ、これ…?

『わかってるでしょ?』

感情も何にもない文章の下に表示されているのは、画像だった。

これは、昨日の夜のオフィスである。

真希とのキスシーンの画像だった。

見知らぬアドレスに、俺の背筋がゾッと凍った。

「――一体何だよ…」

ただならぬ悲劇の予感がした。

誰なのか、姿は見えない。

俺は頭を1回振ると、メールを削除した。

「どうせイタズラだ…」

そう呟いても、心の中では怯えている自分がいた。
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