シムーン
けど、彼女の名前は知らなかった。。

知っているのは、甘い香りを漂うパーマの黒髪とたったそれだけである。

もう1度会いたい――その願いが叶ったのは、それから4年後の秋だった。

しかし…彼女は、他の男の恋人だった。

他の男――南野淳平のことである。

彼は課長と言う肩書きを背負い、去年の秋に名古屋の支社から赴任してきた。

いつの間にか、俺の知らないところで彼女と結ばれていた。

それでも彼女が欲しくて、俺は求めた。

けど、それも俺の無駄な努力に終わった。
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