シムーン
「――えっ…」

何かを言いかけた彼女の唇を、俺は自分の唇で塞いだ。

ドンッ…!

躰が窓ガラスにぶつかった鈍い音が聞こえた。

「――んふっ…」

苦しそうに、彼女がくぐもった声を出した。

それが、俺を余計にあおらせる。

もう止まらなかった。

「――んっ、ちょっ…」

角度を変えて、何度も唇を奪った。

腰に手を当てた瞬間、ビクッと彼女が震えた。

それが余計に、俺をあおった。

会社と言う場所のことを忘れて、貪るように何度も彼女の唇を奪った。
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