シムーン
「中原さん、終わりましたよ」

1人の男性社員がポンと、彼女の肩をたたいた。

――ドクン…

その瞬間、心臓が奇妙な音を立てた。

胸の中で何かが回っている。

彼女にさわるな――俺はそんなことを思った。

何でそんなことを思ってしまったのか、自分でもよくわからない。

彼は、彼女に声をかけただけだ。

終わったことに気づかない彼女に、声をかけただけなのだ。

そんなことくらいで何で思ってしまったのか、今の自分の気持ちがわからない。

わからないから、どうしようもできない。
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