アリィ
その晩はほとんど眠れず、久しぶりにかけた目覚ましのアラームは意味をなさなかった。
これからアリィとの三日間が始まる。
本当に?
本当に、アリィはここへやってくるのだろうか。
まだ逃避したい自分がいる。
それでも、起きてすぐ部屋に掃除機をかけている私。
その姿をふかんから見ている意識が「滑稽だ」と笑った。
開け放した窓から生ぬるい風が吹きこみ、強い日差しがカーテンを割って射しこんでいる。
ふと思い立ち、廊下のすみの物置から客用の布団を引っぱり出してきてベランダに干してみた。
なんてお人好しなんだろう、私は。
自嘲してみると、労働の証が首筋を伝っていった。
そろそろ家を出る時間だ。
自転車で駅前まで向かうと、意外と人は少なかった。
夏休みも終盤で、宿題に追われる学生が家に閉じこもっているせいだろうか。
だとしたら、すべての宿題が終わっている今の私は少し鼻が高い。
が、そんなことより、久々に自転車などに乗ったものだから全身の筋肉が悲鳴をあげている。
しかも暑いから息切れも激しくて汗まみれ。
十四歳で、この体力。
同年代の女子と比較したら、きっと世界規模でワースト記録に違いない。