GENERATION!!〜双子座星の軌跡〜2
……………………………

青白く光り輝く剣と、黒い稲光が激突したその瞬間。
こうは思わず目をつむっていた。



……………………………


「こう?」


〜ん?〜

静寂を破ったのは聞き慣れた声だった。




「何やってんの?」



「………な……!」





そこには争う2人はなく、水晶も冷たい壁や柱もない。

…さっきの紫の花の丘。パピルスの丘だった。


「ヒナ?」


こうは丘の花の中に仰向けで倒れていたようだ。目の前には不思議そうに自分を覗き込むヒナの顔があった。


「何、すっころんじゃってんの?」

こうが目を開けたから安心したのか、からかうように笑うヒナ。
しかし、こうは今見た情景や今の状況を掴めず、しばらく無言で空を見つめている。


「…………本当にただ転んだだけか?」
その様子を見て、何か言いたげに声をかけるリュウ。

〜あいつ、鋭いな…〜


「なんでもね…」


そう言いながらも、体の奥から熱い感情が溢れてくる。


怒り、疑惑、恐れ、疑問、やるせない気持ち…


〜…んだよ。〜


〜なんだってんだよ!〜

「って来い!宝珠!!」

「こう?」

「オレが…なんだって言うんだよ!!」

こうは無我夢中でいるとも知れない宝珠に、声をあげていた。
< 8 / 181 >

この作品をシェア

pagetop