君が、イチバン。

ーーー五年前




調理系の専門学校を出た春。

いつか、自分の店が持ちたいとただ漠然とした夢があった私は、カフェの併設した洋菓子屋JOUJOUにパティシエとして就職した。
個人オーナーの経営する小さなケーキ店だけどすごく人気がある。
初日の日。
新規採用は私だけで簡単に挨拶が済まされて、すぐに仲良くなったのはJOUJOU五年目の田所奈津美さん。

「椎那ちゃんっていうの?名字みたいだね!可愛い!」


年上だけど女の子らしい柔らかい表情に、小柄な体型。
思わず守ってあげたくなるような可愛い人。


そして、


「無駄口叩いてないで仕事しろ」


少し童顔で、厳しい話し方。だけど優しい瞳をしたオーナーの鰐渕保さん。


これが出会いだった。


< 108 / 244 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop