君が、イチバン。

一条さんは少し眉を上げると笑う。

「そうですか。なるほど。皆さんが目の色変える訳ですね。若咲さんは美人さんですから」


丁寧な口調は裏も表もなさそうで、困る。社交辞令でもこんな綺麗な男の人に言われると流石に、恥ずかしいけど。


「ありがとうございます」

いちいち謙遜するやり取りが面倒だし、誉められるに越した事はない訳で口調を変えず素直にお礼を言った。


「冗談じゃないですよ?」

一条さんは反応が面白かったのか何故か笑顔。

「一条さんは彼女いないんですか?」

「ええ、先週別れました」


おおう、地雷だったの?そうなの?

「そうですか。」

なんともいえない微妙な空気になってしまって、質問するんじゃなかったと心底思う。カムバック、さっきの私。


「若咲さんは面白いですね」


一条さんは綺麗に笑ってあたしを見つめる。
面白い要素が全く見つからなくて曖昧に笑顔を返した。
いっておくけど会話の引き出しは少ないの。

「下の名前は…、椎那さんですか?変わってますね」



「よく言われます。」


名字が続いてるみたいだねって感想が多いけどね。


「良い名ですね」


一条さんのキャッチボールが予想外で私は思わず苦笑した。



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