君が、イチバン。

泣いて、問い詰めて、縋り付いて、好きだと駄々をこねればよかったのか。
結局、誰が嘘をついていたのか何も分からないままで。
こんな終わり方をして良い恋愛だったのかは分からない。
店の雰囲気だって壊した。
色んな後悔だけが渦巻いて、見ないふりをするように、日々を過ごしていく。お酒に走る度、瑛ちゃんには迷惑かけたけど。

携帯番号をしばらく変えたりしなかったのは、もしかしたら期待していたのかもしれない。それを砕くように鰐渕さんから何の連絡もなくて、終わったのだと理解すると、やっと使い慣れた携帯を変えた。

ずっと傍にいてくれたのは瑛ちゃんで、抱いてと頼めば、めちゃくちゃだねしいちゃん、と驚いて、断る程優しくないよと笑って、これ以上ないくらい優しく抱いてくれた。

寂しくて、辛くて、利用したのに、それ全部分かって傍にいてくれた瑛ちゃんに甘える私は最低だ。

だから、恋愛する資格なんて、捨てた。誰かを傷つけて、自分も傷ついて、ズタズタになるならもういいと、そう思った。




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