君が、イチバン。

「…従兄弟のお兄ちゃんの趣味。これ借り物。この洋楽はワゴンセールで買っただけ」

負けた、と思う。だって反らせない。
こんなん、予想してない。
私の恋愛教科書にもない。恋愛教科書ってなんだ。

「熱いよね、四宮君」

なんていうか、もう、ホットだよ。ホット。
四宮君は私の言葉はまるっと無視して考えるように呟く。

「…瑛太、って人のじゃねーのか」

瑛ちゃん?なんで瑛ちゃんが出てきたの?いや確かに乗車率は一番高いけど。

四宮君のそれは返事を求めた訳じゃないようで、すぐにまた溜息をつく。

「撤回」

「え?」

なにが、

「惚れんな、って言っただろ、あれ撤回」

「ええ?」

「惚れろ。つーか、惚れさすよ」

無神経女、と四宮君は笑った。




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