御曹司が恋したお姫様!?㊤
あたしが潤の手を払いのけると、今度は前に回って力ずくであたしを抱きしめた。
「落ち着け!!」
「……………っ」
潤の腕の中で、軽く深呼吸をして自分を落ち着かせた。
大丈夫…、怖くない。
潤がいるんだから。
自分に暗示をかけるように、そう言い聞かせた。
「ごめん………。
ちょっと混乱しちゃって………」
「もう大丈夫か?」
「…うん」
潤はあたしを窓側に移動させてくれた。
月明かりが射し込んで、廊下側より全然明るい。