御曹司が恋したお姫様!?㊤
「ここ普段は使われてねぇから、電気がつかない」
「そっか………」
まだ怖くはあるけど、さっきよりはだいぶ冷静さを取り戻せた気がする。
「…鍵、閉められちゃったのかな」
「さっき確認したけど、閉められてた」
「………あれだけ練習したのに、お披露目なし?」
「そうだな」
小さくスクスク笑い合った。
残念なのは確かだったけど、なんかもういいやって心の中で踏ん切りつけていた。
「…でも、オレはお披露目なしでよかった」