ばい


「また乃亜姉の所に泊まっただろ?」



次の日、仕事に行くと尚輝に呆れた顔で聞かれた。


これはいつものこと。



「好きな女の所に泊まって悪いかよ?」

「乃亜姉は答えないんだろ?」

「……」



乃亜は相変わらず俺の気持ちには答えてくれない。



「本当に乃亜姉が好きなら
諦めるな。」



尚輝の言葉に驚いた。


いつもは俺が傷つくだけだって言ってるのに…


何で?



「おー2人とも揃ってるな。」



話の途中でマネージャーの富田(とみた)さんが来た。


富田さんは俺達がモデル時代からマネージャーをしてくれてる。


だから


俺達の性格もプライベートの生活も知ってる。


知ってるけど…


何も言わない。



「来週から新曲のプロモの撮影があるからな。」

「え…来週は…」

「あー…尚輝は法事だからオフが欲しいって前から言ってたな。」



そうか…


尚輝と乃亜はイトコ。


乃亜の実家が親戚が集まる行事に厳しいなら尚輝の親戚も厳しい。


ってことは尚輝も法事に出席しないといけない。


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