ばい
「ママ、ねんね?」
「そうだよ。だから静かにしてような?」
「うん」
愛菜は静かに俺の膝の上に座り乃亜を見ていた。
俺は乃亜の顔をずっと見ていた。
久しぶりに見た乃亜は以前より痩せていて
1人で頑張って愛菜を育てたんだろうと思った。
両親も手伝ってくれたんだろうけど…
乃亜の性格からして出来る限り1人でやってきたんだろうな…
「パパ?」
「ん?」
「ママのことしゅき?」
「好きだよ?」
「あいにゃは?」
「好きだよ」
「あぃにゃもパパしゅき」
愛菜は俺の言葉に凄く嬉しそうに笑った。
「あぃにゃね、かじゅくんがしゅきだから
ばぃっていっちゃら、怒られちゃの…」
「ばぃって?」
「ママがしゅきなひとには
ばぃばぃじゃなくて、ばぃっていうっていっちゃの」
あぁ…
乃亜の『ばぃ』は愛情表現だったんだ。
それを愛菜を通して初めて知った。
そんなことを考えてたら…
「…ン」
「ママ」
「乃亜…」
乃亜が目を覚ました。
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