ばい


「ママ」

「愛菜」



愛菜をベッドに座らせると
すぐに乃亜に抱き付いた。


そんな愛菜を乃亜は優しく抱き締めた。



「ママ、おはよぅ」

「おはよぅ」

「乃亜…」

「仁…」



乃亜の名前を呼ぶと乃亜は手を伸ばし
俺の頬に触れた。


俺はその手を握り締めた。


乃亜は一瞬、驚いた顔をしたけど
すぐに微笑んでくれた。




「無事で良かった」

「俺のせいで…ごめん」

「仁のせいじゃないよ?」

「でも…」

「私が勝手にしたことだから…」



乃亜の言葉に涙が出た。


俺のせいで事故ったのに乃亜は俺を責めない。


俺のせいで1人で愛菜を産むことになったのに…



「泣かないで?」

「パパ?」



愛菜は急に泣き出した俺を不思議そうに見上げてきた。



「…乃亜」

「ん?」

「愛菜は俺の子ども…?」

「…うん」



乃亜は否定することなく頷いた。


正直、否定されるって思ってたのに
乃亜は頷いてくれた。


だったら…


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