色葉
こくごのじゅぎょう
不意に不運にも置手紙を発見してしまった


見なかったことにして去りたかったが、'石動様へ'とでかでかと書かれた手紙を無視する根性はなく開けて読んだ


『石動様へ

本来ならば意識ある貴方に対して


関節という関節すべてを外し、痛みにのたうち狂う様を十分に見てから放置するのですが、』


なんてやつだ。どっか神経がいかれてんじゃないのか?


眺めて見捨てるって普通はできないよな?……………………否、できない。断定


それにしても関節外すって命にかかわらないように苦痛を長引かせるって狙いなんだろうか?





続きはっと


『それではお嬢様のお望みを叶えることができないため泣く泣く


叫び声でお嬢様ばれないように昏倒させた後、関節を壊れない程度に痛めつけることにしました


本当ならこんなゴミがお嬢様に対して汚らわしい情欲を抱いたってだけで万死に値します。次はないと心に刻みなさい』


なんて本気度が伝わる手紙なんだろう


怨念がこもってる気がする


ってかばれない為だけに人を昏倒させるなよ


この後も延々恨み辛みがびっしりだ


脅迫状ってこんなだよな。というかそのものズバリ脅迫状だな


締めの言葉が『お嬢様のお望みを叶えるため貴方は今五体満足なんですよ?それをお忘れなきよう』ってなってるよ


叶えられなかったら殺られる(やられる)な


エリサの望みって確か'古川つばさの本気ともう一度対決したい'だったな


古川つばさに会いに行かなきゃいけないのか


うわぁ憂鬱


まぁとりあえず今は授業か


遅刻決定だが行くか


あぁ~腰が一番痛むな


腰は大切だってのに。


はぁ


動く度に軋む体を引きずり教室へ向かった


手紙を最後まで読まずに


『P.S地獄に落ちなさい。なおこの言葉は私の優しさです。忠告は差し上げましょうという意味で、覚悟しなさいという意味で』



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