秘密な私の愛しき人
*涙のありがとう*
「ただいま」


家のドアを開けると



「あ、穂樺…」



洸くんがいた。



そうだ。洸くんにも言わなきゃ…



「洸くん…。少しいい?」


私は勇気を出して聞いた。



「…ん。返事?」


洸くんは察してくれたみたいで私のほうを見てくれた。



ドキッと胸が鳴る。



私は頷いた。



「あの…ね。洸くんの気持ち嬉しかった。私を慰めてくれたりして…

でも…洸くんの気持ちには答えられない」


私は言い切った。



「洸くんのことも大切だよ。
でも、好きな人は…琉ちゃんなの。
だから…だからっ…」


何か言いたいのに言葉が続かない。



「…わかってた」


洸くんがポツリと言った。



< 167 / 231 >

この作品をシェア

pagetop