秘密な私の愛しき人
「後悔してないよ。だって、幸せだもん」


私はニコッと笑った。




するとお父さんは黙ったまま会社の鞄を持ってリビングから出た。



最後に「良かったな」と言って。




お父さんとはあんまり話さないけど、心配してくれてるとはわかった。



ありがとう、お父さん。



「じゃあ、いってきまーす!」



私は元気よく家を出た。




「おはよー!穂樺♪」


美佳が走ってきた。



「おはよう、美佳」



こうして美佳と一緒に学校に通うのも今日が最後。



でも私達は笑いながら登校した。



いつもと違っていたのは校門前には看板が立ててあること。



「とうとう私達も卒業だね~」


校舎を見ながら、しみじみと美佳が言う。




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