Love Step
部屋を出ると雪哉はすでにテーブルに着き新聞を読みながらコーヒーを飲んでいた。


「おはよう」


杏梨が入って来た気配に雪哉が新聞から顔を上げて言った。


「おはよう……」


困ったような表情をしている。


「どうした?」


顔に気持ちが出やすい杏梨だから分かりやすい。


「今ね、ママから電話だったの」


「あぁ……」


貴美香さんからいつ来られるのか聞かれて困ったのだろう。



「もう少し待ってくれるかい?仕事を調整してみるよ 後で俺から貴美香さんに電話しておくから」


それを聞いた杏梨は気分が晴れて笑顔になった。



「うん 電話しておいてね♪」


そう言ってキッチンに入って行った。


本当に分かりやすい子だ。


杏梨の笑顔に雪哉もつられて笑みを漏らした。




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