Love Step
美咲の事か……。


「安心して 杏梨だけだ」


後頭部に手をあてて引き寄せると唇を重ねた。


「んっ……」


何度も何度も啄ばむようなキスの後、舌で口内をもてあそばれる。


杏梨の身体からは力が抜けていき、頭はぼうっとなりソファーに押し倒されたのも気づかなかった。


雪哉の唇が頬を伝わり感じやすい耳に移動していく。


「ぁ……ん……」


まだ触れられていないのに吐息だけで甘い声が出てしまう。


「耳をいじられるのが好きなんだ……」


「ぃやぁ……そんな事……言わないで……ぁ……っん」


耳朶を軽く噛むと杏梨の身体がビクンと跳ねた。


「ゆ、ゆきちゃん……ダメ……」


「ダメ?本当にダメなの?」


杏梨が腕の中で甘えた声で身じろぐ姿が可愛すぎる。


雪哉の心は更に独占欲が深まっていく。


首筋に唇を移動すれば更に甘い声で啼く。


「……あぁ……あんっ……」


雪哉の唇がもたらす快感に杏梨はひたすら雪哉の腕にしがみつく。


胸にチリッと小さな痛みを感じた。


「きゃっ!」


目を真ん丸くして覆いかぶさる雪哉と自分の胸を交互に見る。


パジャマの胸のボタンがいつの間に外されていた。


ブラジャーもホックが外されていて胸があらわになっている。


慌ててパジャマで隠す。


身体の前で交差させた腕がかすかに震えている。


それを見た瞬間、「もうこれで止めなければ」という理性が働いた。


「今日はここまで」


憂いのある笑みを向けられて杏梨は言葉に詰まった。


「ゆきちゃん……わたし……」



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