Love Step
真緒のクラブの近くのコンビニの駐車場に停めた峻は、深いため息を吐いた。


「はぁ~」



姉のした事を考えると杏梨の顔を見るのはためらわれた。


真緒の店に戻るのが気が重かった。



どんな顔して杏梨に会えば良いんだよ……。

お前は気にする事はない?

姉貴の芝居だった?

雪哉さんをそれほどまでに愛しているんだ。

だから……俺じゃダメか?



「はぁーーーーーっ」


峻は再びやりきれないため息が出た。



コンコン



窓を叩かれて驚いた峻の体が跳ねる。


「いったいなんだよ」と窓の外を見ると真緒が立っていた。


「真緒さん」


シートベルトを外すと、ドアを開けて外に出る。


「こんな所で何をやっているの?店はすぐそこなのに」


真緒がのんびりした声で言う。


「真緒さんは?」


「ん~ わたくしはお姫様の為にヨーグルトを買いに♪」


にっこり笑ってコンビニの袋を掲げてみせる。


「あ、こめん 迷惑かけた」


「いいの いいの でもさ~ あの子、体調悪いわよ?チャーハン作ったんだけど、3口食べたら吐いちゃって、ヨーグルトなら大丈夫かなって」


「吐いたんだ……」



体調が悪くなるほど、参っているのか?






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