Love Step
「はい ここで休んでいてね」
やっと食べ終わった杏梨を真緒が少し離れたベッドへ案内した。
「真緒さん、すみません……」
横になるとクローゼットからタオルケットを出してかけてくれた。
「気分が悪くなったら言うのよ?」
優しい笑みを向けて峻の方へ戻って行った。
行ってしまうと目に映る木彫りの熱帯魚をぼんやり見ていた。
ゆきちゃん……本当に心配しないでマンションに戻って良いの?
「真緒さん、ベッドまで貸してくれてありがとうございます」
お礼を言う峻くんの声が聞こえた。
少し離れているからその声はやっと聞き取れるくらい。
真緒さんの声は聞こえない。
杏梨は胃に不快感を感じた。
眠ろう……。
杏梨は目を閉じた。